「ルーク・フォン・ファブレ…で、いいんだと思う」
「ジェイド・カーティスです」

「…７歳、になるのか？」
「35歳です」

「男だ」
「見ての通り、男性ですよ」

「卑屈だってよく言われる。極端でちょっと考えが足りない、らしい」
「いい性格をしている、とよく言われます」

「嫌味で陰険な鬼畜眼鏡で意地っ張り。でも、時々やさしいこともある」
「短絡的で、良くも悪くも真っ直ぐな子供ですね」

「ティアと一緒にタタル渓谷に飛ばされた後に行ったエンゲーブで」
「食料泥棒としてルークが突き出されてきたのでしたね」

「関わり合いになりたくねー、うさんくさい眼鏡」
「傲慢そうなお坊ちゃん。印象はそんなに良くありませんでしたね」

「解りづらくてもきちんと気遣ってくれるところ」
「真っ直ぐなところ」

「確証のないこととかを、すぐにはぐらかすところ」
「これも上と同じですね。正直、彼への気持ちは、とても複雑なものなんですよ」

「とてもいい、とは…ちょっと言えない、かな」
「残念ながら、そうは思えません。それでも惹かれてしまうのが不思議なところですね」

「ジェイド」
「ルーク」

「別に、今のままでいーよ」
「今のままで構いません」

「…鳥？　何か大きくて首の長いきれいなやつ」
「ひよこ、ですかね」

「ジェイドの欲しがるものをあげたいな。…つっても、俺にあげられるものなんて、たいしたものないけど」
「それはやはり、相手の欲しがるものでないと意味がないのではないでしょうか」

「ジェイドがくれるなら、何でもいい」
「叶わない願いは、口にしない主義です」

「たくさんあるけど、特に一個っていうんなら…大事なこと黙ってるのは、正直、勘弁して欲しいな。俺にいえたことじゃないけど」
「いつもあともう少し考えてから行動して欲しいものですね」

「髪を切ってからは、特に思いつかないかな…」
「ポケットに手を突っ込むこと、でしょうか」

「ポケットに手を突っ込むのと、ずれてないのに眼鏡のフレームを直すこと」
「結構ありますが…眠っているときに目立つのがひとつ。秘密ですが」

「嫌って訳じゃねぇけど、いきなり背後に立たれるのは心臓に悪い」
「考えなしな行動は慎んでほしいものですね」

「考えなしな行動して、結果誰かに迷惑かけたらすんげー叱られる」
「直接怒られたことはあまりないですね。傷つけたことなら、多くありますが」

「いろいろさわったり、さわられたりする」
「触るところまでです」

「…したこと、あったか？」
「……」

「…ないからよくわかんないけど、普段二人きりでいるときは、あんまり会話がない。今はそれで安心してるけど、最初の頃は結構緊張した」
「会話をする必要を、あまり感じないので。ものを教えたり、ということはよくありますが、愛を語ったりということはないですね。ま、それが普通だと思いますけど」

「何でか知らないけど、二人きりだとよくジェイドが俺の背中に張り付いてくる。それで俺がびっくりしてると、いきなり離れたりする。最近は慣れたけど、やっぱりはじめのころはびっくりした」
「気がつくとルークの背中を抱きしめたり、そうでなくてもどこかしらに触れていたりすることがよくあります。いやー無意識って怖いですねえ」

「…二人きりでどこかに行くっていうのがまずないな」
「まあ、行動範囲が違いますからね」

「普通におめでとうって言う。で、何かジェイドの欲しいものをあげられたらいいなって思う」
「どうしましょうかね。周囲が祝っているのに便乗して、何かしましょうか」

「俺だよな」
「私だと思いますよ」

「すごく好きだ、としかいえない」
「測れるものではないと思いますが、決して小さなものでないのは確かです」

「よくわかんねぇけど…こんな気持ちになる相手は、今のところジェイドだけだな」
「そうですね、そうなのかもしれません。正直に言うと、よくわからないんですよ」

「…含みを持たせて名前を呼ばれるのは、怖いな」
「これといってありません」

「まず確かめる、と思う。…それまでにうだうだ時間かかっちまいそうだけど」
「まあ、まず本人に直接問いただしてみると思いますよ。…放っておくかもしれませんが」

「…許せないと思う。もし女の人相手だったら、諦めはするかもしれないけど、でもやっぱり許さないだろうな」
「時と場合によりますね。それでもやはり…辛く当たるくらいはするでしょうが」

「どうもしない。不安にはなるかもしれないけど、まあジェイドだし」
「ルークが着いたときに、何があったかを尋ねます」

「そんなにじっくり見たことないけど…手、かな」
「髪、でしょうか。頭かもしれません」

「たまーに髪をかきあげるのを見るとどきっとする」
「子供に色気は求めてません」

「いきなりスキンシップとられるとどきっとする」
「彼の手が透けているのを見たときにはさすがにドキッとしましたね」

「つこうとして、失敗ばっかりだ」
「つけますし、うまいと思いますよ」

「何だかんだで、ジェイドといるとほっとする」
「ルークがいるのを確認すると、訳もなく安心します」

「してる、のかな。結構いつも一方的だけど」
「向こうが一方的に噛み付いてくるのがほとんどですが、そういったものは軽い。…私のほうが彼に怒ったこともありますがね、そのときのほうが長引きます」

「俺がジェイドにからかわれて、拗ねる」
「まあ、大半は私が故意に仕掛けてます。あれをケンカというなら、ですが」

「結構いつもなし崩しだな」
「向こうはけろっと忘れてますね」

「うーん、微妙」
「苦しい恋はしたくないですからねえ」

「めずらしく、何の意図もなく俺にだけ笑ってくれるとき」
「無意識に私のことを求めてくれているとき、でしょうか」

「むしろいつもだよ…でも、本気でそう思ったことはあんまりない」
「まあ、ルークが人の話を聞かないときはよくそう思います」

「…傍にいること？」
「さて、どんなのでしょうね」

「先がいい、というかもうそうなってる」
「私が先ならば良かったと、時々思いますね」

「意識的に隠してることは、もう何もないよ」
「あるといえばありますが、ないといえばないですね」

「コンプレックスだらけだったよ」
「やはり、フォミクリーを生み出したことだけは、一生抱えていくことになりそうです」

「隠してないけど、知られてないな」
「見て見ぬふりをされていますね」

「ジェイドはどうか知らないけど、俺にとってはたぶん、最後の恋になるんじゃないかな」
「さて、どうでしょうね。永遠などというものを私は信じませんが、それでもきっと、忘れられないものになるのではないかと思います。…いえ、そう願っている、だけかもしれません」